---No War.
written:LIONA

私がまだ生まれてもいなかった頃に
世界では人と人が戦っていた。
それは無意味だった。
少ない領地を巡ってのつまらない戦いだった。でも終わらなかった。
人が沢山死んでいたよ。
神様がこの光景を見ていたら神様だって嘆き悲しんでいただろうね。
人はこんな死に方をするために生まれてきたのではないんだよ。
頑張って頑張って、幸せに死んでいくために生きてるんだよ。
私はその戦いをこの目で見たわけじゃない。
この耳で聞いたわけでもない。感じたわけでもない。

それでも悲しいのはね、同じ人間だからだよ。

私と同じくらいの年の子が戦いに行っていた。
銃を持って、きちんとした足取りで、1ミリもずれない足踏みで。
揃えられた足音を聞きながら、何を思っていたんだろう。
自分が死ぬことなんて考えなかっただろう。
そしてその人達は本当に帰ってこれたのだろうか。
母のもとに。

それでもみんな戦っていたよ。
勝利だけを信じてただひたすらに戦っていたよ。
自分の命を投げ打ってそれでもみんな勝利というたった2文字のために。
その2文字のためにどれだけの人が死んだのだろう、悲しんだのだろう。
どうして、
どうして死ななければいけなかったのだろう。
どうかもう誰も死なないで。悲しまないで。そう思うのは偽善だったのだろうか?
だとしたら何て酷いことなのだろう。
人の命はそんなに軽いものじゃない。

「勝利」は勝ち取れた?そしてその先に何があった?
人を殺めたその先に、何が残っていたの?


…本当の勝利は、誰にも勝ち取れなかったようだね。


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