---Dolls
written:LIONA

私は人間ではありません。
そうです私は機械です。
私は感情も、心も何も持っていません。
だって私は機械ですもの。

神様は機械が心底お嫌いで、
作り出した人間を酷く憎んだのです。
その腹いせに、人間は私に心を吹き込むことまでは
出来なかったようです。

ある日世界は突然終わりました。
あまりにも増えすぎた機械を失くすために
神様はこの世界を作り変えようとしたのです。
機械も人間も全て、この世界と共に消えたのです。

最後に私の目に映ったのは
どこまでも広がる焼け野原でした。
人が泣いていました。みんな悲しんでいました。
「こんなはずでは」と悲しみ続けていました。

どうしてみんな悲しんでいるのでしょう。
私を作ったのは貴方達ではないのでしょうか。
どうしてみんな
私よりも誰よりも悲しんでいるのでしょうか。

そう考えると私も悲しくなりました。
私のような機械がいなかったらこの世界も
こうやって終わることはなかったでしょう。
私の目から、冷たい雫が一粒、ニ粒…

燃え盛る炎の中で
同じ機械が次々と死んでいきました。
穏かな顔をして。まるでこの世界の終わりを
喜んでいるかのような嬉しそうな顔をして。

ああ神様。
貴方の力はどうやら私には効かなかったみたいです。
その時私は確かに「人になりたい」と思いました。
貴方が愛してやまなかった「人」に。

ああ神様。
でも貴方が愛した「人」は「私」を作りました。
貴方が酷く憎んでいた「私」です。
それでも、

貴方は「私」を愛してはくれないのですか?